矢口の件
矢口脱退後の新体制での最初のイベント…コンサートツアー八王子公演があと数時間で始まる。ライブにのぞむ前に、現時点で明らかになっていることから問題に対してどのように自分が考えていたかを残しておく。今後メンバーに接する機会や、新たな事実によりこの考えも変わっていくかもしれないから。
以下は、これまで明らかになっている内容から、矢口が「付き合い」をしてはいけないという約束事を破った結果、脱退することとなったという前提での話。この前提が外れていれば当然話も違ってくる。
昨年末の安倍の件は、違法行為として訴えられても文句の言えない内容だったので「悪いこと」なのは明らかだった。だから、周囲もまず謝って、襟を正して再出発というわかりやすい道筋を取ることが出来た。
ところが、今回の矢口の件は、そもそも「付き合い」が悪いことなのか、というところからはじまってしまう。実際法律的にも社会的にも悪いことではない。しかしモーニング娘。の職種の性質により禁止されている行為であり、それは撮影された際の狼狽ぶりからも矢口自身ハッキリと自覚していただろう。結局矢口はプロとしてあるまじきコトをした。禁煙CMに出演している人が、裏でのうのうと煙草を吸っていて見つかったようなモノだ。この場合喫煙行為が法律的に問題ないと開き直ることは出来るかもしれないが、見つかって約束事を破ったことが露見したことがプロとして問題なのだ。矢口も同様で、「付き合い」がとりあえず問題ではないとしても、約束事を破っていることを見つかった時点でプロ失格なのだ。
ともかく、矢口自身は辞めてお終いかもしれないが、残されたメンバーとファンにとてつもない厄介な問題が残された。今まで「付き合い」が禁止行為であることは確かだったが、社会通念とは合わないので、どこか暗黙というか約束事の存在自体が曖昧な状態でここまでやってきた。その方がメンバーにとってもファンにとっても都合が良かったから。ところが公式発表で「アイドル」という言葉を再三出して触れざるをえなかったとおり、今回の件でこの禁止行為自体について残されたメンバーもファンも正面から向きあわざるをえなくなった。中には禁止行為であることに疑念を持つメンバーが出てくるかもしれない。メンバーが上記のように自分の立場を理解出来るのか、どれだけプロ意識を保ち続けることが出来るかにかかってくることになるのだが、そもそも社会通念と合わないのだから安倍の時のようなスッキリとした答えが出ないのは確かで、結局はメンバー、ファン共に疲弊し、モチベーション低下は否めない。
モーニング娘。シーンを考えた時もあまりにタイミングが悪すぎた。そもそも矢口自身がリーダーとなった直後のことだ。さらに、5/7の石川梨華卒業ライブは、モーニング娘。が万全の体勢で臨めて、ハロプロではなく単独ツアーで、かつコアメンバーの卒業ということで、おそらく「国民的アイドル」モーニング娘。としての最後の、限りなく最高に近いセレモニーになるはずだったが、その期待も水泡と化した。矢口の行為の代償は計り知れない。